八木京都市伏見区で建築施工を行っている株式会社市留（いちとめ）さん。松井社長はもともと、建築に携わるお仕事をしておられたんですか？

松井はい。とはいえ、最初は不動産会社の営業職だったんです。その会社では新築工事なども請け負っており、私は土地や住宅の営業を行いながら、現場では職人さんたちと打ち合わせなども行っていました。

八木営業職でありながら現場の知識も深められたのですね。もともと行なっていた不動産の事業ではなく、工務店として起業された経緯が気になります。

松井不動産事業では前職の会社にはかなわないと考えたからなんです。私には人生で尊敬する人が二人おりまして、その内の一人が前職の不動産会社の社長なんですよ。非常に優秀な方で、そんな社長には同じ業種では到底かなわない。それならノウハウを身に付けていた、建築施工を事業にしようと思ったんです。

八木前職の社長へのリスペクトがあるわけだ。でも、市留という社名は一般的な工務店としては珍しい気がします。

松井この社名は私の祖父が経営していた運送会社の屋号を受け継いだものです。創業は明治の頃で、私の高祖父が青果店を経営しており「市場を留める」という意味で名付けたと聞いています。そして、先ほど言った尊敬する人の、もう一人が私の祖父でして、大好きだった祖父の死後、浮いていた家業の屋号をいただいたんです。

八木そのような素敵な経緯があったんですね。松井社長が会社を立ち上げたのはいつ頃だったのでしょう。

松井独立して事業を開始したのが2013年で、2017年に法人化しました。ですから、通算では今年2022年で9年目になりますね。

八木事業内容についてもお聞かせください。

松井住宅リフォームをメインに、店舗やオフィスの改装も行っています。最近は京都市内の古民家を利用した、民泊と呼ばれる宿泊施設やゲストハウスも手がけました。対応エリアは京都府や大阪府、滋賀県などの近隣県が中心で、ご要望があればそれ以外の地域も承ります。

八木建物の改装やリフォーム施工が主なんですね。

松井新築工事も可能ではあるものの、リフォーム工事はもともとある建物をどのように変えていくかを考えながら施工するため、非常にやりがいがあり楽しいんですよ。

八木なるほど。特に古民家や古い建物を改装するには、相応の知識や技術も必要でしょうし、施工の奥深さを感じますよ。それでは、市留さんのならではの強みも教えてください。

松井弊社の強みは現場のチームワークです。私は昔から野球をしていて、独立後は社会人野球チームも立ち上げ、現在も頻繁にプレーしているほど野球好きでして。野球と同様に、この仕事は一人ですべての業務を担うことはできません。例えば4番バッターが打てなかった時は5番バッターがリカバリーするように、職人同士でフォローし合い、チームで力を合わせて一つのものをつくり上げていくんです。協力会社としてチームに加わってくださっている方はみな、弊社の設立以来、ずっと変わらず力を貸してくださっていて、頼もしい限りですね。

八木それほど強固なチームワークができている証だと思います。そんな職人さんたちを監督として取りまとめるのが松井社長の役目なのでしょうね。

松井そうですね。施工管理として、監督の役割を担っています。とはいえ、監督の力というより、長年実績を積んできたチーム全体の力が優れているのだと思うんです。というのも、社会人ナイターリーグに所属する「YUUKIES（ユーキーズ）」という私のチームも、立ち上げ当初は弱小球団でした。しかし、常に全力投球で経験を積んでいった結果、強豪チームに勝ち、優勝することもできました。ですから、何事もあきらめずに全力投球で続けることが、良い結果に結びつくと考えています。

八木素晴らしいお考えですね。ぜひこれからの展望も教えてください。

松井今後も実直かつ誠実に事業を続け、会社を長く継続していきたいです。同時に、社会人野球も続けていきたいと思います。また、弊社では国内外で災害や貧困などに苦しむ子どもたちを支援しているNPO法人グッドネーバーズ・ジャパンの活動も応援しています。これからも、社会貢献活動にも注力していきたいですね。

八木松井社長のお話から、仕事、野球、そして社会貢献にも全力投球で心から楽しんでおられる気持ちが伝わってきました。今後も継続は力なりで、頑張ってください！